カイジ8

「人間には二種類いる……と 土壇場で臆して動けなくなってしまう人間と そこで奮い立つ者と……」
「無言で…… 無言で落ちたっ……! あの怖がり屋……臆病者の石田さんが 最後の最後……オレのため…… オレに動揺を与えないために…… 悲鳴のひと欠片も発さず……ただ……黙って…… 黙って落ちたっ……! 歯を食いしばって耐えたんだ…… ともすれば口から漏れかねない絶叫を…… 強引にねじ伏せた……!噛み殺したっ……!
示したっ……! 最後の最後 石田さんの…… 意地…… 強さっ……! 矜持をっ……!」
「天空を行く一人一人……57億の孤独……!! 全ての人間に手は届かない 触れられない 離れている…… 離れている…… 全て…… 遠く離れている…… できることは…… 通信……通信だけ……!! 闇の中を尽きることなく交差する言葉たち…… 繰り返される通信 その無限のやり取り
通信は通じたと信じること 伝達は伝えたら達するのだ それ以上を望んではいけない…… 理解を望んではいけない……!! 理解とは程遠い通信だが しかし…… 打とう……!あるからっ……! 確かに伝わることが……ひとつ……! 温度…… 存在……! 生きてる者の息遣い…… その……儚い点滅は伝わる……!」
「つまり……一度失望しなきゃ立ち上がらない…… そんな救い……!……希望……!」