グッドデザイン バッドニュース

昨日グッドデザイン賞のイベントに行ってきたことについて書きましたけれども、他の人は何書いてるかなーと思って調べてみたらこんなん出てきた。

グッドデザイン賞アダルトグッズはNo!1次突破も…
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_08/t2006082535.html

事務局は「多忙な審査員は審査前に初めて現物を見る。女性など一部審査員から展示自体に批判があり、直前になって対象外となった」と説明。「事務局としては展示の方向だったが、アダルト関係は時期尚早だった。今後しばらくアダルトは無理」と、“エロの壁”を強調した。

これはちょっとひどいんじゃないかなあ。あまりに対応が雑すぎる。
 
"事務局としては展示の方向だったが、アダルト関係は時期尚早"ということは結局、審査員におんぶにだっこなわけだ。もっと言えば、審査員の手加減次第でこの賞を受賞することは容易なのかもしれないということですよね。で、この女性の審査員は「自分の嫌いなものは見ないように」「臭いものには蓋をして」生きてきたわけか。

審査対象外商品について
http://www.g-mark.org/news/n_060828_2.html

株式会社典雅から応募がありました「男性用生理用品」(審査番号A0120050)については、担当審査ユニットの判断をもとに、審査委員長が総合的に最終判断し、「審査対象外」といたしました。事務局はこの決定を応募者に伝達し、同意を得た上、展示会場から撤去いたしました。

事務局側からの説明。審査委員長はいったい「何」を総合的に最終判断したんでしょうか。はたして本当に同意を得ていたのでしょうか。まったくもって疑問。説明がなさすぎ。
 
あのーグッドデザイン賞って、すべての産業製品、工業製品が対象となるものだったと思うんですけど、そうではなくて主観的な審査員の目に合ったものを選んでいく、ということなんでしょうかね。
 
そもそもグッドデザイン賞って何なんでしょうか?

グッドデザイン賞 目的
http://www.g-mark.org/aginfo/agi_02.html

今から約50年ほど前のことですが、「グッドデザイン賞」の目的は、この当時と変わっていません。もちろん、産業活動もデザインの活動範囲も大きく進展しているため、今日では「生活の質的向上と産業活動のさらなる高度化」としていますが、「デザインを活用して社会全体を推し進めていくこと」が、「グッドデザイン賞」の役割です。
 
「生活の向上と産業の高度化」というと、お役所の文書などによくある文言のように受けとめられがちですが、実はこの語句の中で「と」の部分が重要なのです。生活の向上も、産業の高度化も、それそれを達成していく手段・方法は様々に考えられます。しかしその両者を同時に実現できるのは、「デザイン」をおいてほかにはありません。この「デザインにしかできないこと」を明らかにしていくことが、「グッドデザイン賞」の具体的な活動です。

グッドデザイン賞 審査基準
http://www.g-mark.org/aginfo/agi_06.html

審査基準は
 
「1. 良いデザインであるか」、
「2. 優れたデザインであるか」、
「3. 未来を拓くデザインであるか」
 
(中略)
 
* このポイント以外に審査の段階で新しいポイントが発見される場合もあります。

目的も審査基準もなんだか曖昧ですね。やっぱり大切なのは"審査員の目に合う"かどうか、なんだろうなあ。僕は決してこれまでのグッドデザイン賞を否定はしないですけれども、審査すら行わせないというある意味での今回の横暴な判断には首をひねるしかない。
 
このグッドデザイン賞のイベントに参加したときに感じたあの感動はいったい何だったんだろうと思ってしまいました。