東京のお祭り


僕の地元は奈良なんですけど、地元の祭りにはほとんど参加したことがなかったし、参加したとしても御輿なんて担いだこともなかったし、そもそも見たことすらなかったんじゃないかな。

ぼくのお祭りのイメージといえばカキ氷にソースせんべい(ソースで自分の名前を書いてくれて、そこに青のりをふってくれる。子供のころはめちゃくちゃ感動した)、あとはヨーヨーすくい。そして、同級生の女子にアタックする絶好のチャンスでもあった。水の入ったヨーヨーをすくって、好きな女の子にプレゼントしたりして、相手が喜んでくれるのを見てニヤニヤしてたのはいい思い出ですね。(黒歴史だけど)

要するに、お祭りにはそんな幼稚なイメージしかもっていなかったんですけれども、さっきお昼ごはんを食べに出かけてみたら家の近くの商店街の通りに法被を着た男性女性、老人から子供までわんさかいて、何事だと思ったら御輿を担いでいる。おお、御輿だーすごいなあーと思いながらお昼を済ませたところ、次はこども御輿がやってきた。近くに保護者の方々や町内会のおばさんたちが水やお茶をコップに入れて、子供たちに差し出している。

ぼくは近くの八百屋でジャガイモを買いながら、商店街を歩く人々の顔を眺めてみた。

みんな笑顔で街を歩いていて、普段はあまり元気のない商店街も活気を取り戻している。お客さんはずっとレジで待ってるんだけど、そんなことも気にせずお店の人は店先に出てきて御輿を遠くのほうまで見守っている。だからといって、お客さんも別に嫌な顔はしていない。

ぼくはクスリと笑いながら、ああ、そういうことか、と思った。みんな、お祭りが好きなんだ。


東京に来て、もう6年目になるけど、初めて東京の人がうらやましいなあと思いました。