原点回帰

他人の黒歴史でキャッキャするのもアレなので、今度は自分の黒歴史でも発表しようかね。大した話ではないですけど。

ホームページをつくる

時をさかのぼること6年前。2003年11月、とある田舎のまったくモテない大学生だった僕は就職活動のために買ったパソコンを就職活動のために一切使わず、インターネットに自分のホームページを作る決心をなぜかしてしまいました。(今風の「サイト」ではなくてあくまで「ホームページ」)当時は「テキストサイト」全盛期で、まだ「ブログ」は一部にしか浸透していない頃でした。

インターネットでは名前が必要

さて、ホームページを作ろうとしてみたものの、書籍でいうところの「ペンネーム」、ラジオでいうところの「ラジオネーム」のように、インターネットには「ハンドルネーム」なるものが必要らしい。片田舎のモテない大学生は自分の名前についていろいろ考えはじめたんですが、さすがは片田舎のモテない大学生、センスが異常にない。ひどいくらいにない。一生懸命馬の絵を描いても友人には「なにこれ?ワニ?」と言われる。泣ける。

きっかけ

はてどうしたものかと考えあぐねるそんな片田舎のモテない大学生にも、「ホームページ作ろう!」と決心するに至ったきっかけがありました。

Webやぎの目
http://yaginome.jp/

当時はまだyaginomeドメインではなかったかと思いますが、いまやネットでは知らない人はいないほど有名になったデイリーポータルZの管理人、林さんの個人サイト。このサイトをひたすら見ては笑いこけて、次の日に友人に勧める、というようなことをえんえんやっていました。こんなおもしろいものが世の中にはあったんだ、僕もその世界に入ってみたい!という、いわば「あこがれ」のような思いがどんどん膨れ上がっていって「ホームページを作ろう」という気持ちが生まれたわけです。
まあ、その「あこがれ」の裏には「こんなくだらないことでもネットに書けばウケるのか!すごい!」というワケのわからない自己肯定感と頭の悪い自己顕示欲があったのは事実ですけども。

名前の由来

そもそも自分から行動したがらない、帰宅部、インドア派まっしぐらだった僕が自ら「ホームページをつくる」という行動に至ったこと自体が自分にとっては奇跡なわけですが、「なんでホームページ作ったのか」と聞かれたら、それはとても単純なことで「まあとりあえずやってみるか」という気持ちでやっただけのこと、としかいいようがないんですよね。で、見てくれる人もいるかもしれないし、誰からもまったく見てもらえないかもしれないけど、もしかしたら見た人の中で笑ってくれたり感動してくれたりする人もいるんじゃないか、そんなことはわからないけどその可能性はゼロじゃないから、とりあえずやってみよう。だから「とりあえず」。ホームページ開設してから半年後に、はてなに作ったアカウントは「toriaezu」。そのまんま。

そして2009年

とか言いながらも、6年前にテキストサイトから始まったtoriaezuは今でもはてなダイアリーtwitterなどでくだらないことを書き続けているわけですが、昨日、林さんの講演の記事を読んで、僕は思わず感動してしまいました。

で、大きい話をすると、こういう個人の思いつきの瞬発力が一番向いてる媒体はインターネットしかないんじゃないかと思うんですね。

たとえば印刷や出版となると、機械を持ってる出版社とか印刷屋さん、取次さんとか、そういったところとお話をしなくちゃならなくて、僕みたいに気の弱い人間は、そこでへこたれてしまうわけですよね。

インターネットって一人でできるし、だれかに思い付きを説明しなくても、まずは形にできちゃう。これはとても便利だなと。

(中略)

こうした話をするとですね。インターネットは「とりあえずの媒体」ではないかと。最後にブログの話につなげると、個人の思い付きがうっかり影響力をもってしまう、奇跡みたいなツールじゃないかなと思います。

なんて、強く言う気もないので「じゃないかな〜」くらいのつもりでおります。

とりあえず、みんなブログだったり自分のサイトだったり、躊躇しないで思いついたことをただやる、楽しい順にやることで、ストレスなく続けられるんじゃないかなと思っております。

【イベントレポート】デイリーポータルZの林雄司さんの特別講演|イベントレポート|Alpha Bloggers

レベルは雲泥の差かもしれませんが、自分のホームページをつくるきっかけを与えてくれた人の考えと同じだったんだ、と思うと感慨深いがありましてね……。嬉しかった。

原点回帰

きっかけは林さんで、原点は「とりあえず」。この2009年にこうやって自分は同じところをぐるぐるぐるぐる回っていたんだなということを再認識しながらも、ひょんなきっかけで多くの人と知り合ったりつながって(あるいはつながった気分になって)自分の新たな一面を知ることができる。過去の自分を思い返したりできる。そう考えると、6年前に行動を起こしたことは自分にとってよかったんだなあ、と。そう思いました。