カイジ3

「わかって……死んでくれ……安藤 古畑……」
「突っ走って……その先にある亀裂を 飛び越えるしかねえっ……! 退路なんかもうねえんだよっ……! 勝つためだ……! 星を9個にするためだっ……! 生き残るためだっ……! オレと安藤と古畑が…… 最後の最後に笑って この船を…… この船を降りるためだ……!」
「他人なんか関係ねえんだよ……!オレだっ……!オレだっ……!オレなんだっ……! 肝心なのはいつも……! オレがやると決めてやる…… ただそれだけだっ……!」
「水は100度で水蒸気に 液体から気体へその形容を変える そんな変わり目を カイジは今自分の身の内に感じていた そう……思えば 思い返せば カイジにはなかったのだ 今までの人生で「何者か」に変わる瞬間など ゆえにこれほど強くこれほど真っ直ぐに 感じたこともまたなかった…… 己が存在の現実感…… つまり…… 「生」……! 今確かに生きているという感触 その震えを……!」