「すごい!」という感動を人にわかってもらうためには

続々登場する「Ajaxデスクトップ」はWebを変えるか
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060807/245311/

最近何かと話題のAjaxですけれども、これって、インターネットを触っている人からすれば「すごい!」と普通に感じさせる技術だと思います。僕も上記サイトにあるサイトやGoogle Mapsを初めて使ってみたとき、思わず「すごいな……」と驚くばかりでした。そう思った人は多いと思います。
ただWebに詳しい人からすれば、「Ajaxなんてどうってことないよ?」と思われることもあるのだと思います。きっと。これは当然のこと。
 
それでも、やっぱり今までのWebのインターフェースに慣れ親しんできた人からすると、Ajaxに触れてみると革新的だなあと感じると思うのですよ。Ajaxそのものが革新的な技術なのかそうでないかは置いておいて。
 
でも、ただひとつAjaxのジレンマがあるとすれば、Webに詳しい人からすると「そこまで驚くようなことじゃない」と思われ、Webに疎い人からすると「わーすごーい」と思われて、で、結局そこどまりで終わってしまいかねない、ということです。結果的に開発者は報われないのでは?などと思ったりしてしまいます。
 
あと、いちばん最悪なのは、Ajaxってカッコいいよねー、という空気だけを察知して、それっぽいWebアプリ作ってみたけど、で、結局、何に使うん?という自己満足型のパターンに陥ってしまうこと。どうせ公開までには至らないのだろうけど、そんな感じでちょっと奮起してみた人って意外といると思うなあ。
 
当然そういった取り組みの中には、「今は実用性を求める時期ではなくて研究開発の時だ!」といった意見もあるかもしれませんが、そもそもAjax使ってどうしたいの?という話になってくると思う。結局のところ。
 
そして、ごく一般の人が待っているのは、Ajaxを使ったアプリケーションそのものよりも、アプリの各所でAjaxを使うことでこういったことが便利になりますよ!といった利便性のような気がする。つまり、我々が新たな技術に触れたときに感じる「すごい!」を、その技術を活かしてモノを作ることで得られる「便利だ!」に変えてあげないと注目してもらえないのではないか。それが、作る側の意識のレベルと使う側の意識のレベルの差を埋める作業になるんじゃないかと思います。

 

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以下、蛇足。
 
まあ、ミーハーな僕からすれば当然「Ajaxデスクトップ」は興奮しまくりなんですけど、だからといって今後も使いたいとは思わないし、当分は普及しないだろうし、一般人からすれば「なんかすごいんだなー」で終わってしまうと思う。この壁か溝かキャズムかは知りませんが一線を越えるためには、技術的なものではない、なにか普遍的な要素が必要なんだと思います。全然思いつきませんが。努力とかそういうの。なんだそれ、って感じですけど。まあニュアンスを掴んでいただけたら幸いです。