笑ってしまうけどやっぱり怖いビジネスのお話

toriaezu2006-07-18

普段はあまり見ないGYAOのドキュメント番組を鑑賞してみたら、意外と面白かった。

e-dreams
http://www.gyao.jp/documentary/

1998年に設立された「1時間で配達するオンラインショップ」Kozmo.comがITバブルの流れに乗ってアマゾンやスターバックス(!)といった大手企業と提携を重ね、莫大な投資を受けて成長していくものの、ドットコムショックによって徐々に衰退を見せていく様を描いたノンフィクション。
 
ありがちと言えばありがちなんですけど、そのありがちな一企業の栄枯盛衰をどっぷり深く取材して、そのプロセスのほぼ全てをドキュメントとして見ることができるのは結構貴重なのではないか。このKozmoについてネットで検索してみると、当時の経緯がざっくりと見えてきます。まずは2000年1月13日。

Kozmo.com、1億ドルの資金を調達
http://japan.internet.com/finanews/20000113/1.html

で、1年3ヶ月後の2001年4月13日にはもうこの有り様。

オンライン・コンビニエンス・ストアのKozmoがサービス停止
http://journal.mycom.co.jp/news/2001/04/13/86.html

ふと不思議に思うのは、よくまあこんな採算の合わない商売に対して大手企業が投資をしたなあということ。今だと同じ業態ではTSUTAYA DISCASとかがあるけど、あれも月2000円ほどなわけですよ。安くね?消費者からすればまだ高い!と思うかもしれませんが、ビジネスやってる側からすれば相当必死になってやっと実現できた金額、って感じがすごくする。ひと月のレンタル料金と送料を考えれば採算はギリギリのラインのはず。なのに、Kosmoの料金体系はほぼ商品そのものの金額だけで送料などはほぼ無料としていたというわけだから、すごいというか無謀というか。たとえネット販売によるコストが僅かだとしても、実際に届けるという物流コストはかなり大きなものになるはず。(むしろTSUTAYAのやり方が気になる)

NOW ON DVD 「e-dreams」
http://www.nowondvd.net/products/e-dreams/

これはかなり笑えるんですけれども、このドキュメンタリーを紹介している上記サイトで批評を寄せているのが、当時エッヂ株式会社の社長だった堀江貴文

壇上から、社員に向けて「あい・ぴー・おー」と叫ぶ社長。今見ると可哀想になるというか、はしゃぎすぎ、というか。このドキュメンタリーフィルムが存在することは、以前からうわさで知っていたが実際に見ると、思った以上に面白かった。売れ行きしだいなんだけど、ぜひ日本のネットベンチャー版も作ってみたい気がする。

うわあ、皮肉すぎる!
 
堀江さんの話をするともうクドくなっちゃうから何も言わないけど、このドキュメントの映像と堀江さんをダブらせて見てみるとより面白くなるかも。つうか、実際こんな感じなんだろうな。億万長者への道がすぐ目の前にある人間というのは。こえ。