情報処理技術者

というこの堅苦しい名前にどうにかして威厳を保たせようと協会の人たちが必死に努力している様がありありと見えるような資格試験を受けてきたんですけど、僕はもう本当にどうしようもないほどの方向オンチで、別れ道に差し掛かった時に選ぶ道は必ずといっていいほど間違ってしまうという運命の星のもとで生まれてしまったのです。こればっかりはしようがない。
今日も試験開始時間ギリギリに最寄駅に着くとそこには同じ試験を受けに来たとおぼしき者どもがあたふたしており、ええいそんなチンタラしていたはダメだダメだ!と心の中で罵声を浴びせ、僕は猛然と「こっちに違いないんだよ!!!」と自然から育んだ直感で(適当に勘で)方向を決めて歩いていくと、駅前にて右往左往していた奴らが何食わぬ顔でスタスタと僕の後ろについてきた。おまえらはどこまでクズなんじゃあ!!試験の性質からか大半がアキバ系のファッションをした人たちだったので、おまいらは全員逝ってよし(´・ω・`)!!と現代っ子あふれる表現を心の中で強く叫んでから、僕は彼らをまいてやろうと中学生時代に鍛えぬいた強靭な足で野うさぎのごとく猛スピードで突き進んでいくと、あっさりまくことに成功した。
やった!それみたことか!今の時代、「右にならえ」だけでは世界の先端に行くことはできないのだよ……前が何も見えなくても恐れることなく足を前に踏み出すことができるか、その一歩がその人間にとっての大きな勇気となり、意味となるのである……ッ!!君は知っているか?先をゆく者だけが見ることができる景色があるということを……。
 
 
で、どうも歩けど歩けど試験会場となる大学が見えてこない。
 
……あっ、これって……!
 
 
通称二分の一キラーと呼ばれる僕の野性の勘はこんな重要な日にも見事に発揮してくれたため、僕は汗だくの状態で試験を受けるハメになった。オレ、デブキャラじゃないのに試験中ハアハア言ってたよ!!!!