ネットage

近頃、ライブドア堀江社長ホリエモンってクズみたいな名前ですね)がずっと話題になっていますけど(ニッポン放送の株を大量購入し、ここから得た株主の権利を行使してフジテレビというメディアにおける最大勢力に対して影響力を持とうとしている人。まあわかりやすい解説!)、今回の一件で言えるのは、堀江社長は頭が良いがやり方が下手くそすぎる、ということだと思います。あそこまで用意周到にニッポン放送の株を着実に買い続け、800億円をかき集めて一気に筆頭株主へと成り上がり、その陰ではこっそりとフジテレビの株も買っていた抜け目のないこの男が、「株では損はさせないんでー、業務提携しましょうよー」などとノンキなことを言ったって誰も引き受けないだろう?果たして堀江社長は本気でフジテレビとの提携を望んでいたのだろうか?
 
堀江社長がおそらく当初考えていたのは「さーて株で一儲けしてやろうか、話題になるのは間違いないから自社の宣伝になるし、リスクは高いけれどこういうマネーゲームは得意だしな。で、その勢いでフジテレビと提携なんかできちゃったら超オトクじゃーんこれぞまさに濡れ手に粟!ぼくホリエモーン!ワハハハー」みたいなことだと思う。多分。勝手な想像。とりあえず堀江社長の考えは想像以上の部分と想像以下の部分が共存していると思います。それ思いつかなかったー!っていうのと、なんでそんなこともできないわけ?っていうのと。そんな堀江マジックにマスコミは踊らされすぎ。どこぞのニュースの解説者が「今回の一件での堀江社長の目的がマネーゲームだったら許せない」なんてことを言ってましたけど、なんで許せないのかその基準がまったく分からなかったです。日本以外の投資家が見てたら腹かかえて笑ってたと思います。まあ、すべてがライブドアという会社の宣伝に集約されることも考えられなくはないのですが。
 
で、まあライブドアとフジテレビの攻防は時間が解決してくれるので様子見することにしておきまして、僕がこの一件で感じたのが「ネットがメディアを取り込みはじめた」ということです。ネットの速報性がテレビや新聞を中心とした既存メディアの存在意義を薄くさせていることは顕著に現れてきていますが、それ以上に酷いなあと思ったのがネットの情報をそのままニュースにしているということです。

集団強盗を告白した18歳女性タレントって?
http://www.zakzak.co.jp/gei/2005_02/g2005021802.html

これはネットではもうすっかり有名になってしまったあびる優の万引き事件の記事ですが、この記事で書かれているソースはすべてネットのサイトから。ほぼ丸写し。まとめサイトにある電話での会話をそのまま書き写しているところはものすごーくわかりやすく既存メディアの堕落を表しています。これに限らずテレビや新聞などのメディアがネットから情報を得ている状況はずっと続いていて、これは記事を書く側からすれば「メディアがネットを利用する」だけの話だと思っているんだろうけど、その流れは徐々に変わりつつあって「ネットがメディアを取り込む」という状況になりつつあると思います。だからと言ってネットがメディアより上位にくることは無理だし、そうなるべきでもないと思う。それよりもむしろ、メディアはネットをもっと有効的に使って、そのメディアならではの情報を提供すべきです。
 
と、ここまで書きなぐったところで、ネット界隈の「ライブドアVSフジテレビ」関連の情報を調べてみたら、もうその話はいいよ放置放置!って感じで静観しているところが多かったです。というかそもそも「ライブドアVSフジテレビ」という対立関係がそのまま「ネットVSマス・メディア」というふうに見えてしまっていること自体が変なんですよね。
 
参考リンク!
昨日の風はどんなのだっけ?(http://d.hatena.ne.jp/toronei/20050218#J
江川紹子ジャーナル「新聞・テレビを殺します」〜ライブドアのメディア戦略(http://www.egawashoko.com/menu4/contents/02_1_data_40.html