落とし物の旅

先日、名刺入れを落としてしまい困っていたわけですが、とはいうものの、いつ落としたのかすらも分からなかったので、どうしようもない絶望感に浸りながら警視庁のホームページでこんなものを見つけた。

ウエルカムけいしちょう 落とし物の旅
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no4/welcome/tour0.htm

一見して子供向けに作られたページなんだと思うわけですが、意外とナイフのような鋭さを持つページに仕立て上げられております。まずはじめの挨拶。

「こんにちは、ぼくはお姉さんのカバンだよ。僕と一緒に落とし物の旅に出よう。」

アナーキーだ。これから落とし物となるであろうカバンが自らの行く末を案内していく落とし物の旅。自虐的な感じがとても素敵です。このページにはasf形式またはreal形式で音声も聴くことができる仕様なんですが、そのセリフは子供の機械じみた声で「僕は黒いかばん。」だの「お姉さん長電話なんだよな。」だのどうでもいいことの連発です。まったくもってそんな機能はいらない。ストーリーの展開は、公衆電話で長電話をしたお姉さんはそのまま自分の黒いかばんを忘れていってしまい、その公衆電話に中年のサラリーマンが駆け込む。黒いカバンに気付くサラリーマン。その時の黒いカバンのあわてふためいた心境。

「どーするつもり」

子供向けの割りに意外と興味をそそらせる。ちょっと先の展開が気になる。そして衝撃の展開!→http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no4/welcome/tour106.htm

「わー僕をどこへ連れて行くんだ−!」

かばんの悲痛な叫び!その下にあるコメントは……!

「中を見てヤバイ物(禁制品等)が出てきたらどうしたらよいのでしょう?」

 
 
ヤバイ物、て!ヤバイ物、て!
 

やっぱりアナーキーだ、このページ。とはいえ、後半は忘れ物・落とし物がどのように扱われているのか、どのように管理されているのかが分かりやすく説明されていて、知っておいて損はない内容となっています。やるじゃん警視庁!(フォローはバッチリ!)