冷凍都市の暮らし

toriaezu2004-05-16


今日はやりたいことをやってきました。渋谷で映画「ロスト・イン・トランスレーション」を見ました。アカデミー脚本賞授賞した本作品は、東京(というかほとんど渋谷、新宿がメイン)を舞台に2人の外国人が日本の文化と人間の価値観の違いに疎外感を感じて、お互いの寂しさを埋め合うとするその微妙な距離感を繊細に描き出した物語。監督はソフィア・コッポラ
僕らにとってはありきたりの日常でも、彼らにとっては考えられない非日常の世界。渋谷。新宿。街のネオンと雑踏。
観客はそのギャップが面白くて皆笑っていたけど、僕にはちっとも笑えなかった。
そのせいで今日は少し陰鬱な一日になってしまった。

現在位置の自覚をせんと
結果は容易に予想できる
都市ビル天狗が飛んだよ
新宿でオレはそれを見たよ
 
殺す風景!!
生かす風景!!
 
NUMBER GIRL 「SAPPUKEI」

映画を見終わって、僕は渋谷から新宿まで歩いた。
果たして、本当にあの風景が我々の「日常」なのだろうか?
いつのまにか「非日常」に慣れてしまっているのではないか?
 
なぜ笑う?なぜ笑う?
 
街の喧騒に押し殺されそうになりながら、僕は新宿で日常を探しあてることはできなかった。どこにもなかった。
 
 
 
もしかしたら僕の後ろにずっと天狗がいたのかもしれない。冷凍都市に生きる天狗は、いつ僕の前に現れるのだろう。そんなこと、誰も知らない。誰も、知らない。